家賃が払えない時の対処法7選|給付金・公的支援制度から緊急手段まで

「家賃が払えない」と気づいた瞬間、頭が真っ白になるかもしれません。しかし、動き出すのが早ければ早いほど、使える選択肢は多いのが現実です。

国土交通省の「住宅市場動向調査(2024年度)」によると、民間賃貸住宅入居者の平均家賃は約7.8万円。手取り月収の3割を占める家賃は、収入が少しでも減れば真っ先に払えなくなる支出です。実際、住居確保給付金の申請件数はコロナ禍の2020年に前年比約34倍に急増し、2026年現在も高水準が続いています。

この記事では、国の給付金・公的支援制度から、大家への交渉術、緊急時の立て替え手段まで7つの対処法を、優先度順に整理しました。「今月だけ厳しい」人も「来月以降も見通しが立たない」人も、まずはここから動き始めてください。

※本記事の情報は「いつのマニースコア」(評価基準と方法論)に基づき、公的制度の正確性を重視して作成しています。

この記事を書いた人

吉岡政人吉岡政人|いつのマニー編集長

ウェブスターマーケティング株式会社 代表取締役。カードローン・消費者金融のリスティング広告運用歴10年以上。データ分析に基づく正確な情報発信を行っています。

目次

【最優先】住居確保給付金で家賃を最大9ヶ月分受給する

家賃が払えなくなったとき、最初に検討すべきは住居確保給付金です。返済不要の「給付金」であり、家賃相当額が自治体から直接大家に振り込まれます。

2020年のコロナ禍で利用者が急増した制度ですが、2026年現在も継続中。離職・廃業だけでなく、収入が大幅に減少した人も対象です。「自分は対象外かも」と思い込んで申請しない人が非常に多いのですが、まずは窓口に相談してみることをおすすめします。

住居確保給付金の概要

項目 内容
支給額 家賃相当額(上限は地域・世帯人数で異なる)
支給期間 原則3ヶ月(延長2回まで、最大9ヶ月
返済義務 返済不要(給付金)
支給方法 自治体から大家・管理会社に直接振込
申請先 お住まいの市区町村の自立相談支援機関
支給までの期間 申請から約2週間〜1ヶ月半

申請条件(4つすべてを満たす必要あり)

  1. 離職・廃業後2年以内、または個人の責任によらず収入が離職・廃業と同程度まで減少していること
  2. 世帯収入が市町村民税均等割非課税額の1/12+家賃上限額以下であること
  3. 世帯の預貯金が基準額の6ヶ月分以下(上限100万円)であること
  4. ハローワークへ求職申込みをし、誠実に求職活動を行うこと

フリーランスや自営業の方も、収入減少の条件を満たせば対象になります。「失業していないと使えない」は誤解です。

収入要件の目安として、東京23区の1人世帯の場合、月収13.8万円以下+預貯金50.4万円以下が基準です(家賃額によって変動)。「ギリギリ条件を超えるかも」と思っても、窓口で正確に計算してもらえるので、まずは相談することが大切です。

【独自データ】地域別・住居確保給付金の上限額一覧

住居確保給付金の上限額は、生活保護の住宅扶助基準額に準じています。以下は主要都市の上限額です。自分の地域の上限額を知ることで「満額もらえるのか」がすぐわかります。

地域 1人世帯 2人世帯 最大受給額(9ヶ月) 備考
東京都特別区(23区) 53,700円 64,000円 483,300円 1級地-1
横浜市 52,000円 62,000円 468,000円 1級地-1
大阪市 42,000円 50,000円 378,000円 1級地-1
名古屋市 37,000円 45,000円 333,000円 1級地-2
福岡市 36,000円 43,000円 324,000円 1級地-2
札幌市 36,000円 43,000円 324,000円 1級地-2

※上限額は生活保護の住宅扶助基準額に準じます。正確な金額は各自治体窓口でご確認ください。

たとえば東京23区で1人暮らしの場合、月53,700円×最大9ヶ月=最大483,300円が給付されます。家賃が上限額以下であれば、実質的に家賃全額をカバーできます。

申請に必要な書類と手順【ステップ別】

住居確保給付金の申請手続きは、大きく分けて5つのステップで進みます。書類が完全に揃わなくても相談できるので、まずは1のステップから始めてください。

ステップ1:自立相談支援機関に連絡する

お住まいの市区町村の自立相談支援機関に電話または来所で相談します。「住居確保給付金を申請したい」と伝えれば、条件の確認から必要書類の案内まで丁寧に教えてもらえます。窓口がわからない場合は、市区町村の代表電話に「生活困窮者の相談窓口」と問い合わせてください。

ステップ2:必要書類を準備する

  • 本人確認書類:運転免許証・マイナンバーカード・パスポートのいずれか
  • 収入確認書類:直近3ヶ月分の給与明細、確定申告書の控え、または雇用保険受給資格者証
  • 預貯金確認書類:全口座の通帳またはネットバンキングの残高画面コピー
  • 離職・収入減少の証明書類:離職票、退職証明書、または売上減少を示す帳簿・取引先からの通知等
  • 賃貸契約書のコピー:物件名・家賃額・契約者名がわかるページ
  • 振込先口座の通帳コピー:口座名義と口座番号がわかるページ

ステップ3:ハローワークで求職申込みをする

住居確保給付金の受給中は、ハローワークでの求職活動が義務付けられます。月2回以上のハローワーク訪問と、月1回以上の自立相談支援機関での面談が必要です。ただし、自営業やフリーランスの方の場合は、経営改善に向けた活動でも認められるケースがあります。

ステップ4:申請書を提出する

自立相談支援機関で「住居確保給付金支給申請書」に記入し、上記の書類と一緒に提出します。申請後、自治体が審査を行い、通常2週間〜1ヶ月半で支給決定が出ます。

ステップ5:支給開始・延長手続き

支給決定後、自治体から大家・管理会社に直接家賃が振り込まれます。原則3ヶ月の支給期間終了後も、収入状況に改善が見られない場合は延長申請が可能です(最大2回の延長で、合計9ヶ月まで)。延長の審査は支給期間終了の1ヶ月前から受け付けるため、忘れずに手続きしましょう。

ポイント:書類が完全に揃わなくても、まず相談に行くことが大切です。窓口で「何が足りないか」を教えてもらえます。

2025年4月〜の制度改正

住居確保給付金に「転居費用補助」が新設されました。収入に見合った低廉な家賃の住宅に引っ越す場合、引越し代や礼金も補助対象になります。今の家賃が高すぎるなら、安い物件への転居も選択肢です。また、職業訓練受講中の方は求職活動要件が緩和されるなど、利用しやすくなっています。

無利子で借りられる「生活福祉資金貸付制度」

住居確保給付金の対象外だった場合、または給付金だけでは足りない場合は、社会福祉協議会の生活福祉資金貸付制度を検討しましょう。保証人がいれば無利子、いなくても年1.5%という金利の低さで借りられます。

消費者金融の上限金利18.0%と比較すると、年1.5%は文字通り桁違いの低さです。10万円を1年間借りた場合、消費者金融なら利息は約18,000円ですが、生活福祉資金ならわずか約1,500円で済みます。

緊急小口資金と総合支援資金の比較

生活福祉資金貸付制度には複数の種類がありますが、家賃が払えない状況で使えるのは主に「緊急小口資金」と「総合支援資金(生活支援費)」の2つです。どちらを選ぶべきか、以下の比較表で確認してください。

項目 緊急小口資金 総合支援資金(生活支援費)
想定される状況 今月だけ一時的に足りない 数ヶ月間の生活費を確保したい
貸付上限 10万円 単身:月15万円
2人以上:月20万円
貸付期間 一括(1回のみ) 原則3ヶ月(最長12ヶ月)
最大貸付総額 10万円 単身:最大180万円
2人以上:最大240万円
利子 無利子 保証人あり:無利子
保証人なし:年1.5%
据置期間 2ヶ月 6ヶ月
返済期間 2年以内 10年以内
融資までの期間 約1〜2週間 約2〜4週間
申請先 お住まいの市区町村の社会福祉協議会

「今月だけ一時的に足りない」なら緊急小口資金(10万円)、「数ヶ月間の生活費を確保したい」なら総合支援資金が適しています。どちらを選ぶか迷ったら、社会福祉協議会の窓口で状況を説明すれば、最適な制度を案内してもらえます。

さらに、住民税非課税世帯の場合は返済免除の対象となる可能性もあります。借りた後に返せなくなっても、一定の条件で免除されるのは大きな安心材料です。

生活福祉資金の申請で知っておくべきポイント

  • 住居確保給付金との併用が可能:家賃は給付金でカバーし、生活費は緊急小口資金でまかなうのが最も効率的な組み合わせです
  • 保証人は必須ではない:保証人がいなくても、年1.5%の利子で借りられます。保証人を探す時間で申請が遅れるより、保証人なしで早めに申請する方が賢明です
  • 据置期間がある:緊急小口資金は2ヶ月、総合支援資金は6ヶ月の据置期間があり、この間は返済が不要です。生活が安定してから返済を始められます
  • 他の借金があっても申請可能:消費者金融やクレジットカードの借入があっても、審査で一律に排除されるわけではありません

生活保護の住宅扶助を受ける

収入も貯金もほとんどなく、働くことが困難な状況にある場合は、生活保護の住宅扶助を検討しましょう。家賃だけでなく、生活費全般の支援を受けられます。

「生活保護は最後の手段」というイメージがありますが、憲法25条で保障された「健康で文化的な最低限度の生活」を営む権利です。条件を満たしていれば、堂々と申請してください。

生活保護の申請条件

生活保護を受けるには、以下の4つの要件をすべて満たす必要があります。

  1. 資産の活用:預貯金、不動産(住居用を除く)、自動車などの資産を活用していること。ただし、通勤に必要な自動車は保有が認められるケースもあります
  2. 能力の活用:働ける能力がある場合はその能力を活用すること。病気やケガで働けない場合は、医師の診断書が求められます
  3. 他の制度の活用:住居確保給付金や生活福祉資金など、他の制度を先に利用すること
  4. 扶養義務者の扶養:親族からの援助が受けられる場合は、まずそれを受けること。ただし、扶養照会は義務ではなく、DVや虐待などの事情がある場合は省略可能です

住宅扶助の上限額(主要都市・1人世帯)

地域 1人世帯の上限額
東京都特別区(23区) 53,700円/月
横浜市 52,000円/月
大阪市 42,000円/月
札幌市・福岡市 36,000円/月

申請先はお住まいの地域の福祉事務所です。申請は本人の意思で行えます。「窓口で追い返された」という話も聞きますが、申請する権利は法律で保障されています。断られた場合は「申請書を提出したい」と明確に伝えてください。

「水際作戦」への対処法

残念ながら、一部の福祉事務所では申請を受理しない「水際作戦」が問題になっています。「まだ若いから」「働けるでしょう」と窓口で言われることがありますが、以下の対策を知っておいてください。

  • 生活保護の申請をしたい」と明確に意思表示する(相談ではなく「申請」と言う)
  • 口頭で断られた場合は、書面で「申請書を交付してください」と請求する
  • 支援団体に同行してもらう(生活保護の申請同行を行うNPOが各地にあります)
  • 法テラス(0570-078374)に相談する(無料の法律相談が受けられます)

生活保護法第7条では「保護の申請は書面によるほか、口頭でもすることができる」と定められています。申請を受理しないことは、それ自体が違法行為です。

生活保護と住居確保給付金の違い

「住居確保給付金と生活保護、どちらを申請すべきか」で迷う方も多いでしょう。判断の目安は以下の通りです。

  • 住居確保給付金が適している場合:収入減少は一時的で、求職活動により数ヶ月後に回復が見込める。家賃の支払いだけが問題で、生活費はなんとかなる
  • 生活保護が適している場合:収入も貯金もほぼゼロで、病気・障害等により就労が困難。家賃だけでなく食費・光熱費など生活全般が立ち行かない
  • 両方を検討すべき場合:住居確保給付金を受給中だが、生活費が不足している。給付金の支給期間が終了しても収入が回復しない見込み

なお、住居確保給付金の申請は生活保護の前提条件ではありません。状況が深刻な場合は、最初から生活保護を申請することも可能です。自立相談支援機関の窓口で相談すれば、どちらの制度が適しているかアドバイスしてもらえます。

大家・管理会社に相談する(分割払い・減額交渉)

意外かもしれませんが、大家や管理会社に正直に相談するのは非常に有効な対処法です。大家にとって最も困るのは「連絡なしに滞納される」ことであり、入居者が退去すれば空室リスクを抱えます。

賃貸経営の観点で考えてみてください。入居者が退去した場合、大家は原状回復費用(平均15〜30万円)、次の入居者が決まるまでの空室期間(平均2〜3ヶ月)、募集にかかる広告費(家賃1ヶ月分程度)を負担しなければなりません。つまり、家賃を1〜2ヶ月待つ方が大家にとっても経済的に合理的なケースが多いのです。

交渉で認められやすい3つのパターン

  1. 分割払い:今月分を2〜3回に分けて支払う(最も認められやすい)
  2. 支払い猶予:翌月にまとめて2ヶ月分を支払う(一時的な収入減の場合)
  3. 家賃減額:周辺相場より高い場合、減額交渉の余地あり(長期入居者ほど有利)

【例文付き】大家・管理会社への連絡方法

「何を言えばいいかわからない」という方のために、具体的な連絡例文を用意しました。電話でも、メール・手紙でも使えます。

電話での連絡例(分割払いの相談)

「お世話になっております、○○号室の○○です。お忙しいところ恐れ入ります。

実は、今月の家賃の支払いについてご相談させていただきたくお電話しました。○月に勤務先の業績悪化で収入が大幅に減少しまして、今月の家賃を期日通りにお支払いすることが難しい状況です。

つきましては、○月○日に○万円、○月○日に○万円という形で、2回に分けてお支払いさせていただくことは可能でしょうか。

現在、住居確保給付金の申請準備も進めておりますので、来月以降は制度を利用してお支払いできる見込みです。ご迷惑をおかけして申し訳ございませんが、ご検討いただけますと幸いです。」

分割払い合意書のテンプレート

口頭での合意だけでなく、書面で合意内容を残すことをおすすめします。後々のトラブルを防ぎ、お互いの安心材料になります。以下のような内容を含めてください。

分割払い合意書の記載例

家賃分割支払いに関する合意書

賃貸人(甲):○○○○
賃借人(乙):○○○○
物件名:○○マンション ○○号室
対象月:2026年○月分家賃 金○○,○○○円

甲と乙は、上記対象月の家賃について以下の通り分割払いに合意する。
第1回:2026年○月○日 金○○,○○○円
第2回:2026年○月○日 金○○,○○○円
※遅延損害金の取り扱い:本合意に基づく支払いを履行する限り、遅延損害金は請求しないものとする。

2026年○月○日
甲(署名):
乙(署名):

交渉時の3つのポイント
  • 滞納する前に連絡する(信頼を失わないため)
  • 「いつまでに」「いくら払えるか」を具体的に伝える
  • 住居確保給付金を申請中であれば、その旨も伝える(大家の安心材料になる)

口頭だけでなく、合意内容を書面やメールで残すことも重要です。後でトラブルになるのを防げます。

カードローンで一時的に立て替える

公的制度の申請には時間がかかります。住居確保給付金は申請から支給まで2週間〜1ヶ月半、緊急小口資金も1〜2週間かかるのが一般的です。

今週中に家賃を振り込まないといけない」という緊急時には、大手消費者金融の無利息期間を活用して一時的に立て替え、公的制度の支給後に返済する方法もあります。

消費者金融 金利 無利息期間 融資スピード
プロミス 2.5%〜18.0% 初回借入日の翌日から30日間 最短3分
アコム 2.4%〜17.9% 契約日の翌日から30日間 最短20分
アイフル 3.0%〜18.0% 契約日の翌日から30日間 最短18分
SMBCモビット 3.0%〜18.0% なし 最短15分

プロミスは「初回借入日の翌日から30日間無利息」なので、契約してすぐ借りなくても無利息期間が減りません。家賃の支払日に合わせて借り入れれば、30日以内に返済すれば利息ゼロです。

家賃立て替えの具体的なシナリオ

たとえば、家賃8万円を月末に支払う必要があるが、住居確保給付金の支給開始は2週間後という場合を考えてみましょう。

  1. プロミスに申込み → 最短3分で審査完了、即日借入可能
  2. 8万円を借り入れ → 家賃を振込で支払い
  3. 住居確保給付金の支給が開始(自治体から大家に直接振込)
  4. 翌月の給与から8万円をプロミスに返済(借入から30日以内なら利息ゼロ)

このように、公的制度の「タイムラグ」を埋めるための短期的な利用であれば、無利息期間内に返済できる可能性が高いです。

家賃立て替えにカードローンを使う場合の注意点

カードローンを「つなぎ」として使う場合、以下の点を必ず確認してください。

  • 返済原資を明確にする:住居確保給付金の支給決定が出ているか、翌月の給与で確実に返済できるか。返済のアテがない借入は避けてください
  • 借入額は最小限に:必要な家賃額だけを借りる。「ついでに生活費も」と借りすぎないこと
  • 無利息期間の起算日に注意:プロミスは「借入日の翌日から」ですが、アコム・アイフルは「契約日の翌日から」です。契約してから借り入れるまでに日数が空くと、実質的な無利息期間が短くなります
  • 複数社から借りない:1社で済ませること。多重債務に陥ると、公的制度の審査にも影響が出る場合があります
注意点

カードローンはあくまで「つなぎ」です。返済の見通しがないまま借りると、家賃の問題に加えて借金の問題も抱えることになります。必ず住居確保給付金や生活福祉資金の申請と並行して利用してください。

関連記事:お金を借りる方法まとめ|目的別に最適な借り方を解説

フードバンク・生活困窮者自立支援を活用する

家賃が払えないほど生活が苦しい場合、食費の負担を減らすことで家賃に回せるお金を確保できます。

総務省の家計調査によると、単身世帯の食費は月平均約4.2万円です。フードバンクや子ども食堂を活用すれば、食費を月1〜2万円削減できる可能性があります。その分を家賃の支払いに充てることで、滞納を回避できるかもしれません。

すぐに使える支援

  • フードバンク:NPO法人が無料で食料品を配布。「セカンドハーベスト」「フードバンクかながわ」等、各地域に団体あり
  • 子ども食堂:子どもだけでなく大人も利用できるところが増えている
  • 生活困窮者自立支援制度:市区町村の相談窓口で、家計改善支援・就労支援を無料で受けられる
  • 社会福祉協議会のフードパントリー:食料品の無料配布を定期的に実施

生活困窮者自立支援制度で受けられる支援の内容

生活困窮者自立支援制度は2015年にスタートした比較的新しい制度で、家賃が払えない状況にある人が無料で以下の支援を受けられます。

  • 自立相談支援:専門の支援員が一緒に問題を整理し、解決に向けた計画を立てる。住居確保給付金の申請もここで行います
  • 家計改善支援:収支の見直し、家計管理のアドバイス、滞納の整理方法などを支援。家賃を払えなくなった根本的な原因に向き合えます
  • 就労支援:ハローワークと連携した就職活動の支援や、すぐに一般就労が難しい場合の就労訓練(中間的就労)
  • 一時生活支援:住所がない、またはネットカフェ等で生活している場合に、一定期間の宿泊場所と食事を提供

「食料は確保できている」という状態を作ることで、限られた収入を家賃に集中させることができます。恥ずかしいと感じる必要はありません。これらの支援は、あなたのような状況の人のために存在するものです。

固定費を見直して家賃を確保する方法

フードバンクの活用と併せて、毎月の固定費を見直すことで家賃に回せるお金を増やせます。以下は見直し効果が大きい項目です。

  • 携帯電話料金:大手キャリアから格安SIMに乗り換えれば、月5,000〜7,000円の削減が可能。年間で約6〜8万円の節約になります
  • サブスクリプション:使っていない動画配信・音楽配信・ジム会費などを解約。月3,000〜5,000円の削減が見込めます
  • 保険料:生命保険・医療保険を見直し。公的保険(高額療養費制度等)でカバーできる部分は民間保険を解約する選択肢もあります
  • 電気・ガス:電力自由化を活用して安いプランに切り替え。切り替えだけで月1,000〜2,000円安くなるケースがあります

これらの固定費見直しで月1〜2万円の削減は現実的な目標です。その分を家賃の支払いに充てれば、滞納のリスクを大幅に減らせます。

【要注意】家賃滞納→強制退去までのタイムラインと法的リスク

「家賃を滞納したらすぐに追い出される」というのは誤解ですが、放置すれば確実に法的措置に進みます。以下のタイムラインを把握しておきましょう。

滞納期間 起こること あなたがすべきこと 深刻度
翌日〜1ヶ月 電話での催促(2〜3回)、督促状の送付 大家に連絡し、支払い計画を提示。住居確保給付金の申請を開始 ⚠️
1〜2ヶ月 連帯保証人への連絡、内容証明郵便による催告 分割払いの合意書を締結。緊急小口資金の申請も検討 ⚠️⚠️
3ヶ月 契約解除通知(信頼関係の破壊が認定される目安) 法テラスに相談。滞納分の一部でも支払い、交渉を継続 🔴
4〜5ヶ月 明渡し訴訟の提起。弁護士費用・裁判費用が請求される可能性 弁護士に相談。和解(分割返済)の可能性を探る 🔴🔴
5〜7ヶ月 裁判の判決 → 強制退去の執行。執行官が来て荷物を搬出 転居先の確保。生活保護の申請を検討 🔴🔴🔴

一般的に3ヶ月以上の滞納で「信頼関係の破壊」が認められ、法的措置が可能になります。逆に言えば、3ヶ月以内に何らかのアクションを起こせば、最悪の事態は避けられるということです。

家賃滞納がもたらす4つの法的リスク

強制退去だけでなく、家賃滞納にはさまざまなリスクが伴います。

  1. 延滞損害金の発生:賃貸契約書に定められた利率(通常年14.6%)で遅延損害金が発生します。家賃10万円を3ヶ月滞納した場合、約10,950円の損害金が上乗せされます
  2. 信用情報への影響:家賃保証会社を利用している場合、滞納情報が信用情報機関に登録される可能性があります。今後の賃貸契約やクレジットカード審査に影響します
  3. 連帯保証人への請求:連帯保証人がいる場合、保証人に全額が請求されます。家族や知人に迷惑をかけることになります
  4. 訴訟費用の負担:大家が明渡し訴訟を提起した場合、弁護士費用や裁判費用(合計30〜50万円程度)を負担させられる可能性があります
大家による自力救済は違法

家賃を滞納しても、大家が勝手に鍵を交換する荷物を処分する部屋に立ち入ることは違法です(自力救済の禁止)。もしこのような行為を受けた場合は、すぐに弁護士や法テラス(0570-078374)に相談してください。損害賠償を請求できるケースもあります。

【独自計算】家賃滞納の延滞損害金シミュレーション

家賃を滞納すると、賃貸契約書に定められた利率で延滞損害金(遅延損害金)が発生します。「たかが数千円」と思うかもしれませんが、滞納が長引くほど金額は膨らみます。以下のシミュレーションで、具体的な金額を確認してください。

月額家賃 1ヶ月滞納 3ヶ月滞納 6ヶ月滞納 滞納家賃+損害金合計(6ヶ月)
5万円 600円 5,475円 15,330円 315,330円
8万円 960円 8,760円 24,528円 504,528円
10万円 1,200円 10,950円 30,660円 630,660円

※延滞損害金は年14.6%で計算(多くの賃貸契約で採用されている利率)。各月の滞納分について経過日数に応じて日割り計算しています。

家賃10万円の場合、6ヶ月滞納すると元の家賃60万円に加えて約3万円の延滞損害金が発生し、合計約63万円の支払い義務を負うことになります。さらに、大家が訴訟を起こした場合は弁護士費用30〜50万円が加算される可能性もあります。

この金額を見ると、滞納が始まる前に行動を起こすことがいかに重要かがわかるはずです。住居確保給付金なら返済不要で最大9ヶ月分の家賃をカバーできます。まずは自立相談支援機関に電話しましょう。

延滞損害金の計算方法

延滞損害金は、以下の計算式で算出されます。賃貸契約書を確認し、自分の契約での利率を把握しておきましょう。

延滞損害金 = 滞納家賃 × 年率 ÷ 365日 × 滞納日数

たとえば、家賃8万円を年率14.6%で60日間滞納した場合:80,000円 × 14.6% ÷ 365日 × 60日 = 1,920円 となります。1ヶ月分だけ見れば少額ですが、滞納月数が増えるほど古い月の損害金が積み上がっていくため、総額では大きな負担になります。

なお、契約書に延滞損害金の定めがない場合は、民法で定められた法定利率(2026年現在 年3%)が適用されます。ただし、多くの賃貸契約では年14.6%と定められているのが一般的です。

まとめ:家賃が払えないときの7つの対処法【優先度順】

優先度 対処法 特徴 こんな人におすすめ
1 住居確保給付金 返済不要。最大9ヶ月分の家賃を給付 離職・収入減少した全ての人
2 大家・管理会社に相談 分割払い・支払い猶予の交渉 今月だけ一時的に厳しい人
3 生活福祉資金貸付制度 無利子〜年1.5%で借りられる 生活費全般が不足している人
4 フードバンク等の活用 食費を浮かせて家賃に回す 食費の負担が大きい人
5 生活保護の住宅扶助 収入・資産がほぼない場合の最終手段 収入も貯金もなく、働けない人
6 カードローンで立て替え 緊急時のつなぎ。無利息期間を活用 公的支援の支給まで待てない人

最も大切なのは、「何もしない」を選ばないことです。放置すれば3ヶ月で法的措置が始まり、強制退去は現実のものになります。一方で、行動を起こせば使える制度は意外と多いのです。

上記の対処法は単独で使うだけでなく、組み合わせて使うのが最も効果的です。たとえば「住居確保給付金(家賃カバー)+緊急小口資金(生活費)+フードバンク(食費削減)+大家への分割交渉(給付金支給までのつなぎ)」というように、複数の支援を同時に活用することで、最も安全に困窮期を乗り越えられます。

今日からできる3ステップ・アクションプラン

「どこから手をつければいいかわからない」という方のために、今日からできるアクションプランを整理しました。

  1. 【今日】自立相談支援機関に電話する:「住居確保給付金の相談をしたい」と伝えるだけでOK。窓口がわからなければ、市区町村の代表番号に電話して「生活困窮の相談窓口」を聞いてください
  2. 【今日〜明日】大家・管理会社に連絡する:支払いが難しいことを正直に伝え、分割払いや猶予を相談。住居確保給付金を申請予定であればその旨も伝えましょう
  3. 【1週間以内】必要書類を揃えて申請する:本人確認書類・収入証明・預貯金通帳・賃貸契約書を準備し、住居確保給付金の申請手続きを完了させましょう

まずは住居確保給付金の窓口に電話してみてください。それだけで状況は大きく変わります。

関連記事:お金がないときの対処法まとめ傷病手当金が遅い原因と対処法お金を借りる方法まとめ

家賃が払えないときによくある質問

住居確保給付金は無職でなくても申請できますか?

はい、申請できます。離職・廃業していなくても、個人の責任によらず収入が大幅に減少した場合は対象になります。フリーランスや自営業の方も、収入減少の要件を満たせば利用可能です。

家賃を1ヶ月滞納したら即退去させられますか?

いいえ、1ヶ月の滞納で即退去にはなりません。法律上、賃貸借契約の解除には「信頼関係の破壊」が必要で、一般的に3ヶ月以上の滞納が目安とされています。ただし、早めに大家・管理会社に連絡して対処することが重要です。

住居確保給付金の支給額は家賃の全額ですか?

家賃が地域ごとの上限額以下であれば全額支給されます。上限額は生活保護の住宅扶助基準額に準じており、東京23区の1人世帯で53,700円/月です。家賃がこれを超える場合は、上限額までの支給となります。

緊急小口資金と住居確保給付金は同時に使えますか?

はい、併用可能です。住居確保給付金で家賃をカバーし、緊急小口資金(最大10万円)で生活費を賄うという使い方ができます。申請先は、住居確保給付金が自立相談支援機関、緊急小口資金が社会福祉協議会と異なりますので、それぞれに相談してください。

家賃滞納中でも引っ越しはできますか?

引っ越し自体は可能ですが、滞納分の家賃の支払い義務は残ります。また、新しい物件の入居審査で家賃保証会社が信用情報を確認する場合があり、滞納履歴があると審査が通りにくくなる可能性があります。2025年4月からは住居確保給付金に転居費用補助も新設されたため、活用を検討してください。

大家に家賃を払えないと相談するタイミングはいつがベストですか?

支払日の前がベストです。「今月の家賃の支払いが難しい」と事前に伝えることで、大家からの信頼を維持できます。滞納してから連絡するよりも、分割払いや支払い猶予の交渉が通りやすくなります。

カードローンで家賃を払うのは危険ですか?

返済の見通しがないまま借りるのは危険です。ただし、住居確保給付金や緊急小口資金の支給を待つ間の「つなぎ」として、無利息期間内に返済できる見込みがあれば有効な手段になります。プロミスなら初回借入日の翌日から30日間無利息なので、計画的に利用すれば利息は発生しません。

  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

吉岡政人のアバター 吉岡政人 代表取締役

ウェブスターマーケティング株式会社 代表取締役。いつのマニー編集長。
京都府出身。関西大学大学院工学研究科を卒業。「世の中の情報格差を解決したい」という思いから学生時代にWebメディア事業をスタート。その後事業の売上拡大に伴い法人化、ビジネスの拠点を関西から東京へと移す。

カードローン・消費者金融のリスティング広告運用を10年以上にわたり手がけ、広告運用で培ったデータ分析力とユーザー心理の理解を活かして金融メディア「いつのマニー」を運営。各消費者金融・カードローンの公式IR資料から成約率データを独自に算出し、利息コストの比較計算やフローチャートなど、数字に基づいた情報発信を行っている。

目次