クレジットカードをつくりたいと考えたとき、「収入が少ないと審査に通りにくいのでは」「他社で借入があるけれど、審査に影響するのかな」と心配な方も多いでしょう。
「収入が少ないから」「借入があるから」という理由だけで審査に落ちることはありませんが、自信のないポイントがあると結果が出るまでは不安ですよね。
そこで今回はクレジットカードの審査に不安を感じたことがある498名にアンケートを実施。
「クレジットカードの審査に不安を感じた理由」や「審査に通るための工夫」について聞きました。
- 調査対象:クレジットカードの審査に不安を感じたことがある方
- 調査期間:2023年3月7日~10日
- 調査機関:自社調査
- 調査方法:インターネットによる任意回答
- 有効回答数:498人(男性254人/女性244人)
- 回答者の年代:10代 0.2%/20代 19.1%/30代 37.4%/40代 28.1%/50代 12.0%/60代以上 3.2%
※アンケート内の雇用形態は、クレジットカード申込当時のものです。
クレジットカードの審査に不安を感じた理由1位は「収入が少ない・不安定」
クレジットカードの審査に不安を感じたことがある498名に「不安を感じた理由」を聞いたところ、1位は「収入が少ない・不安定(202人)」、2位「雇用形態が正社員以外(73人)」、3位「無職・収入がない(68人)」という結果に。
収入面に自信がなくて不安を感じた人が多いとわかります。
また非正規雇用だったり勤続年数が少なかったりして、「社会的信用が低いのでは」と心配していた人もいました。
1位 収入が少ない・不安定
- 収入が少なく安定していなかったから(22歳 アルバイト 女性)
- 年収が同年代と比べてかなり低かったこと(36歳 正社員 女性)
- レビューと比べて収入が足りない感じだったから(47歳 正社員 男性)
1位は「収入が少ない・不安定」でした。
クレジットカードの審査は年収だけをもとに行われるわけではありませんが、年収が目安のひとつであることは確かです。
そのため年収が少ないことで不安になる人は多いでしょう。
生活するには十分な年収がある人でも、ゴールドカードやプラチナカードをつくりたい場合には「年収が足りないのでは」と不安になるようです。
2位 雇用形態が正社員以外
- 正社員でなければ通りにくいというイメージがあったから(21歳 パート 女性)
- 派遣社員だったため不安でした(39歳 派遣社員 女性)
- 「個人事業主はカードの審査に通らないのでは」と思って不安でした(43歳 個人事業主 男性)
2位は「雇用形態が正社員以外」でした。
非正規雇用は雇用や収入が不安定になりやすいため、「審査に通らないのでは」と不安に感じる人も多いとわかります。
フリーランスや個人事業主も「収入の安定性が低い」とみなされるため、不安を感じていた人が多数。
ただ実際には非正規雇用やフリーランスでも、クレジットカードの審査に通っている人は大勢います。
またフリーランスの場合、クレジットカードが作りにくくなることを見越して、独立前にカードを作っておく人も多いです。
3位 無職・収入がない
- 大学生で収入がなかったので不安を感じた(32歳 学生 女性)
- 仕事を辞めたあとだった(42歳 主婦 女性)
- 申請した当時、勤めていた会社を辞めて一時的に無職になっていたので(61歳 無職 男性)
3位は「無職・収入がない」です。
「学生・専業主婦で自分の収入がない」「退職して無職になった」など、収入がなくて審査に通るか不安だった人も。
年金生活者や学生・主婦でも申し込めるカードも多いですが、審査結果がわかるまでは不安を覚えますよね。
基本的には主婦であっても「過去に金融事故(滞納や債務整理)がない」「配偶者に信用がある」という状態なら自分名義のクレジットカードは作れます。
どうしても自分名義のカードが作れないなら、「家族カード」をつくる手もありますよ。
4位 勤続年数が少ない
- 転職したばかりで勤続年数が短かったから(28歳 派遣社員 女性)
- 転職したてのため、信用度が低いように感じた(37歳 正社員 女性)
- 新入社員のときにつくったので、審査に落ちるかと思った(41歳 正社員 男性)
4位は「勤続年数が少ない」でした。
クレジットカード審査では勤続年数も目安のひとつとなるため、就職や転職をしたばかりだと不安になりやすいようですね。
ただ審査では、勤続年数を含めて総合的に発行の可否が判断されます。
そのため勤続年数が短いだけで不安になる必要はありません。
5位 借金・ローンがある
- 借金があり、リボ払いも利用しているため(28歳 アルバイト 女性)
- 土地を購入したローンなどがあり、審査に通るか不安でした(35歳 正社員 男性)
- カードローンの借入があったので不安でした(40歳 正社員 男性)
「借金・ローンがある」が5位でした。
一般的には、延滞がない限り住宅ローンはクレジットカード審査に影響しないといわれています。
住宅ローンの審査は厳しいため、「住宅ローンが組める=信用がある」と判断されるからです。
一方カードローンなどでの借入(無担保の借入)は審査に影響し、「金額や件数が年収に対して多すぎる」と判断されるとカード発行が難しくなることもあります。
6位 滞納・金融事故を起こした
- 以前に債務整理を行ったため(26歳 正社員 男性)
- 他社のクレジットカードで、引き落としに間に合わず催促されたことがあるため(38歳 正社員 女性)
- 過去に携帯電話料金の支払いが遅れたから(51歳 派遣社員 男性)
6位は「滞納・金融事故を起こした」でした。
「過去に支払いを滞納してしまった」「借金を返せず任意整理した経験がある」などの理由で不安を感じていた人も。
携帯・スマホ代については、「本体代金の分割払い」の支払いが一定期間以上遅延すると、金融事故として記録されます。
信用情報機関に「延滞」「任意整理」などの事故情報が記録されると、情報が削除されるまで(延滞なら5年間)はクレジットカードの審査には通りにくくなります。
7位 カードを複数もっていた
- 既にカードを複数枚持っていたので、追加で作れるか不安だった(34歳 正社員 男性)
- 複数のカードを所有しているので、審査に通るか不安に感じた(49歳 正社員 女性)
7位は「カードを複数もっていた」でした。
クレジットカードの所有枚数に制限はないので、審査に通過すれば何枚でもつくれます。
ただ所有しているカードの「利用限度額の合計」「キャッシング枠の合計」が大きすぎると、審査に影響する可能性も。
そのため「持っているカードが多すぎるのでは」と不安になる人もいるのですね。
クレジットカードの審査に落ちたことがある人は30.3%
クレジットカードの審査に不安を感じたことがある498名に「審査に落ちたことがあるか」を聞いたところ、「落ちたことがある」と答えた人は30.3%で、3割程度でした。
少数派ではありますが、10人に3人は審査落ちした経験があるのですね。
なお雇用形態別に「審査に落ちた経験」を調査してみると、以下のようになりました。
クレジットカード審査に落ちた経験がある人の割合がもっとも多かったのは、フリーランス・自営業の人たちでした。
フリーランスは収入が不安定なためクレジットカードがつくりにくいことが、数字でも示されたかたちです。
反対に一番審査落ち経験が少ないのは「無職」でした。
無職(主婦・学生含む)の場合は審査落ちを警戒して「学生や主婦でもつくりやすいカード」を選ぶため、審査に落ちることが少ないのだと考えられます。
そもそも自分名義のカードを諦め、家族カードを申し込んだ人もいるかもしれません。
クレジットカードの審査に受かるためにしたことは「審査に通りやすそうな会社を選ぶ」
クレジットカードの審査に不安を感じたことがある498名に「審査に受かるためにしたこと」を聞いたところ、1位になったのは「審査に通りやすそうな会社を選ぶ(227人)」でした。
2位「何もしていない(90人)」、3位「就職・転職する(50人)」と続きます。
「審査に通りやすそうなカードを選んで申し込んだ」という人が多数。
カードの種類にこだわりがなく、とにかくクレジットカードが欲しいのなら、「審査基準が緩やかなところ」を選ぶのは良い方法でしょう。
また「就職」「収入アップ」など、信用力アップの工夫をした人も多くなりました。
1位 審査に通りやすそうな会社を選ぶ
- 口コミで審査が通りやすいクレジットカード会社を調べて申し込んだ(25歳 学生 女性)
- 普段買い物をしているデパートのカードにした。勧誘でおすすめされたので、なかなか落ちることはないと思った(36歳 主婦 女性)
- 審査基準のゆるそうなクレジットカードを選択(50歳 派遣社員 男性)
1位は「審査に通りやすそうな会社を選ぶ」でした。
審査に通りやすいか調べる方法としては「ネットの口コミ」「同僚・友人からの情報」などが挙げられています。
またスーパーや百貨店などの流通系クレジットカードは比較的審査に通りやすいといわれているため、スーパーや百貨店のカウンターで申し込んだ人も。
銀行やスマホキャリアなど、普段利用しているサービスが提供しているカードを選んだ人も多くなりました。
「サービス利用料をきちんと支払っている履歴があれば、審査に通りやすいだろう」と考える人も多いのでしょう。
2位 何もしていない
- 初めてクレジットカードをつくったので知識がなく、具体的に何をしたら良いのか分かりませんでした。「落ちたら仕方ないな」ぐらいの気持ちで、ただ神頼みするくらいでした(30歳 パート 女性)
- 嘘は書きたくないので、とくに何もしていません(49歳 正社員 男性)
- すぐに自分でできることが思い浮かばなかったので、何もしなかった(57歳 パート 女性)
2位は「何もしていない」でした。
何もしなかった理由としては「できることがなかった」「嘘はいけないので、正直に書くしかないから」などが挙げられました。
「何もしていないけれど、今のところ問題なくカード発行されている」という体験談も多くなっています。
落ちたら仕方ないという気持ちで、ダメもとで申し込んだ人もいました。
3位 就職・転職する
- 安定した職業についた(26歳 正社員 女性)
- 仕事に就いてからクレジットカードをつくりました(45歳 契約社員 女性)
- 仕事で頑張って正社員になりました(64歳 正社員 男性)
3位は「就職・転職する」です。
「就職して働き始めた」「転職して正社員になった」などの回答が寄せられています。
無職でもクレジットカードはつくれますが、やはり収入ありのほうが審査で有利にはなるでしょう。
退職予定なら、働いている間にクレジットカード発行を申し込んでおくのがおすすめです。
4位 勤続年数・収入を増やす
- 少しだけシフトを増やした(29歳 アルバイト 男性)
- 勤続年数を増やし、給与を上げた(31歳 アルバイト 女性)
- 3ヶ月以上同じ勤務先で働いてから申請した(45歳 契約社員 女性)
4位は「勤続年数・収入を増やす」でした。
実際に「一度審査に落ちたが、勤続年数をのばして安定的に収入が得られるようになると審査に通った」という声もありました。
正社員でなくても、勤続年数が長ければ信用につながりますし、昇給するチャンスもあるでしょう。
なお収入を増やす方法としては他に「シフトを増やす」「副業する」などが挙げられました。
5位 支払いを滞納しない
- すでに持っているクレジットカードの支払い遅れがないよう、気をつけた(32歳 正社員 女性)
- 借入の返済が遅れないよう、気をつけていました(40歳 正社員 男性)
「支払いを滞納しない」が5位でした。
クレジットカードや各種分割払い(ローン)の支払いが遅れると、金融事故になってしまい、カードの審査に通りにくくなります。
そのため「支払い・返済期限はきちんと守る」と意識していた人が多数。
とくに延滞・滞納の経験がある人は、心に留めておきたいですね。
6位 借金を減らす
- 申請時までにキャッシングの返済を終えるようにした(37歳 契約社員 女性)
- 他クレジットカードの債務を繰り上げ返済し、なるべく債務残高を減らした(48歳 正社員 男性)
- 審査直前だけ借入残高を減らした(52歳 正社員 男性)
6位は「借金を減らす」でした。
カードローンやキャッシングで多額の無担保借り入れがある場合、カードの審査に影響します。
そのため申請前に繰り上げ返済などを実施し、借入残高を減らした人もいました。
借入を早めに返済するのは、返済総額減にもつながります。
まとめ
クレジットカードの審査にあたっては、収入の「少なさ」「不安定さ」が原因で不安を感じる人が多いようです。
月給制以外で働いている場合、とくに収入の不安定さが気になるでしょう。
審査においても収入の安定性はひとつの目安になるため、収入が不安定になりがちな自営業・フリーランスでは「クレジットカードの審査に落ちた経験がある」と答えた人が多くなりました。
審査に受かる可能性を高める工夫としては、まず審査に通りやすそうなカードを選ぶことが挙げられます。
例えば「流通系」「主婦や学生でも申し込み可能」といったカードですね。
また退職・独立の予定がある方は、退職・独立前にクレジットカードをつくっておくのがおすすめです。